次期教育課程では,数学Aで「整数の性質」が新規導入されますが,一方,現行課程の数学Cで扱っている「行列」は削除されます。「整数の性質」ではユークリッドの互除法を扱い,2数の最大公約数を求めるようになりますが,これを行列で表現するとどのようになるかを考察しました。つまり,新規内容の「ユークリッドの互除法」の運用と削除内容の「行列」についてのコラボレーションを考えたわけです。
新課程では同時に扱えない内容(整数の性質と行列)を考察してみました。確かに,最大公約数を求めるのに,わざわざ行列を使って考える必要はないのですが,行列を使うことによってその計算過程がコンパクトに表現できます。また,それによって,計算の中にある意味が浮き出てきます。単に行列をその計算に重きを置くのでなく,それがもつ表現のよさを味わう機会があってもよかったのではないかと,削除される直前になって思う次第です。「よさ」とは,失ってみてしみじみわかるものなのかもしれません。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて、4ページ
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