「行列」は新教育課程から削除された。A≠0,B≠0であってもAB=0となることがあることや必ずしも,AB=BAとはならないことは,実数においてはa≠0,b≠0であればab≠0であることやab=baであることから,非零の積は非零であることや交換法則は成り立つのが当然のことと思っている生徒に「数」,「零」,「積」さらには「逆行列」を通じての「逆数」や「演算」を改めて考えさせるよい機会であったので残念に思う。本稿では,A≠0,B≠0,AB=BA=0である2次の正方行列A,Bについて,①A,Bはともに逆行列をもたない ②となる数,A²=αA,B²=βBが存在する ③α=β=1のとき,A+B=Eであるということについて考察する。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて、4ページ
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