ベクトルの応用として,座標の代わりにベクトルの終点で点の位置を表す「位置ベクトル」という考え方があります。これに関しては,まず,「分点の位置ベクトル」を扱い,その後「図形のベクトル方程式」を扱います。ただ,残念なことにそれらの関連が明確ではないように感じられます。折角であるから,これらを相補的に活用すれば,理解が一層深まるのではないかと思います。というのも,2点を通る直線のベクトル方程式は,あるいはと表されますが,これは線分のベクトル方程式が,あるいはと表されることにつながり,さらにはの周および内部とか,線分を隣り合う2辺とする平行四辺形の周および内部とかにつながるからです。この括弧書きの意味がわかりづらい生徒は決して少なくないようです。なぜ,ならば直線を表し,ならが線分になるのかがしっくりこないのです。具体的ないくつかを図示すれば視覚的にわかるのに,それをしないままで理解しようとしてわからないということが多いのです。そこで,分点の位置ベクトルを相補的に扱えば,直線や線分のベクトル方程式の意味が生徒にとってわかりやすいのではないかと思い,指導の一助として考察してみました。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて、4ページ
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