逆行列の公式を導くとき,連立方程式を解いて導くのが一般的のようである。2次の正方行列Aに対して,AX=XA=EとなるXを求めるのに,Aの(1,1)成分,(1,2)成分,(2,1)成分,(2,2)成分をそれぞれa,b,c,d,Xの(1,1)成分,(1,2)成分,(2,1)成分,(2,2)成分をそれぞれp,q,r,sとして,p,q,r,sについての連立1次方程式とみてそれを解く。Δ(A)≠0の場合には,解をもち,それが逆行列の成分になる。Δ(A)=0のときは矛盾が生じることで,AX=XA=EとなるXは存在しない。つまり,逆行列はないということになるが,その矛盾を導く前に出てきた結果に疑問を抱いた生徒がいた。素朴な質問であったが,良い所を突いた質問であったので,本稿ではその件についての考察を紹介したい。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて,3ページ
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