数学Aで三角形の五心を扱う。といっても,傍心については発展的な扱いであり,垂心についても基本的にセンター試験では対象外であり,もっぱら「重心G」「外心O」「内心I」の三心が中心である。数学Aでは,いわゆる古典幾何であり,座標的な扱いではない。しかし,数学Ⅱでは「重心」の座標について,分点の考察から簡潔明瞭で,しかも有効な公式が扱われている。生徒にとって,なぜ座標は「重心」だけなのか,「外心」や「内心」についても座標での公式があってしかるべきではないかという思いがあるのではないかと思う。そこで,本稿では,生徒の疑問に答えるべく,しかし簡便のため一つの頂点を原点とする三角形の「内心」の座標を中心に考察したいと思う。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善