茨城県北相馬郡利根町の徳満寺に伝わる祭で、利根川流域のごく限られた地域で見られる奇祭。龍の縄飾りをあしらった太刀で厄除けと五穀豊穣を祈念し町を練り歩く祭。太刀は長さ3間、周囲70cmのものと、長さ2間、周囲40cmのもの2本からなる。祭の起源は定かではないが、太刀には天保年間(1830~40年)という文字が記されていること、さらには、地蔵尊に命を助けられた寺男が、疾病退散を願い太刀を担いで町を練り歩いたという民話が残されていることなどが起源を知る手がかりとなろう。徳満寺は民俗学者として知られる柳田国男の生家に近く、氏に影響を与えた「間引きの絵馬」や小林一茶の句が残されている古刹。
茨城県牛久市うしく里山の会 坂弘毅