雨水の一滴一滴を大切に集め、洪水の抑制と、水資源の確保に役立つ「水源涵養林」は一般には国有林として管理されています。この森に降った雨は、幾筋もの小さな流れつくり、その水を集めて渓流が出来ます。その水は、時には山地の平坦な部分に高層湿原を作り、生物の多様性を育み、最後は滝となって下界に下ります。また、人工的に作られたダム等によって人工的な滝が出現します。ダムの水は洪水を抑制しながら、下界へと下り、飲料水や農業用水として利用されます。農村部では、土地改良によって湿田が乾田化された後、モザイクのような美しい水田に農業用水として供給されます。そして全ての役割を終えた水は、都市河川に流れ込み、最後は海へ流れ込み、短い水の旅は終わります。
茨城県牛久市うしく里山の会 坂弘毅