同じ内容であっても,その表現によって生徒には全く異質のものに見えることがある。また,あることの一般化にもそのようなことがある。表現が異なっているために,数学的には同一内容や素直な一般化,拡張であるにもかかわらず,数学教育的にみればそこに生徒の学習困難さを生じさせていることがある。わかっている人(教師やよくできる生徒)にはきわめて当然で,そこに何の支障もないが,そうでない生徒にとっては越え難い障壁があることがある。その障壁を取り除いてやるのが「わかってできる」ことを目指す数学教師の手腕の見せ所でもある。 本稿では,二項定理と多項定理,それに関する反復試行の定理について,関連性の見える表現の有効さについて,ある提言をしたいと思う。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて,4ページ
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