撮影年月日:2008年1月、4月、2009年1月、3~4月、撮影場所:茨城県牛久市内。社会問題となっている高齢社会は、環境にも大きな影響を与えています。特に、自然環境では、農家の高齢化と後継者不足によって、都市近郊の森林は半ば放棄されて、温室効果ガスの吸収源としての機能を失っています。特に、スギ・ヒノキの人工林は荒れるに任せ、遷移が進んでいます。遷移とは、人工林に人の手が入らないことにより、本来の原生林(常緑広葉樹)に戻っていくという現象です。このような状況の中で、都市近郊のNPO法人や市民団体が立ち上がりました。人も動物も寄せつけない、荒れたヤマ(里山などの雑木林や針葉樹林)を管理して、健康な森林にしたいからです。その大半がボランティア活動で、大きな課題に取り組んでいます。荒廃して昼なお暗いヤマを再生するのです。翌年の春、その林床からは絶滅とされた希少植物の芽生えを確認することができ、人工林と人間との共生は切っても切れない関係にあることがわかりました。
茨城県牛久市うしく里山の会 坂弘毅