「辞書の大切な役割」の1つに「文化の伝達」があります。今や「コーパスを使った辞書」が花盛りですが,「多くの人が使わなくなった言葉」はもはや「死語」なのでしょうか?コーパスを尊重するあまりことばの本質を失うと,語彙力が低下し続けていく「若者たちのことば」が豊富に載っている「知性や品格」のない辞書になってしまうのではないでしょうか?もうそろそろ,「日本の文化と伝統」を伝える辞書の魅力に気づいてもいい時期です。 そういう辞書のひとつである『アドバンスト フェイバリット和英辞典』(以後『AF和英』と記す)の魅力を,20回にわたって探っていくことにしましょう。
英語辞書評論家 野元一郎