本研究は,教具としてポリドロンを活用していくことが,生徒自らが空間図形の世界を構成していくことにどのような点で有効であるかを,授業実践を通して考察したものである。その結果,空間図形から導入することにより,生徒にとって身近な具体物を通し自然な思考の流れの中で,こだわりをもって数学的知識の公共性を高めていこうとする構成活動を促すことができること。ポリドロンを使うことにより,立体の構成要素に自然に目が向けられ,数学的知識の構成活動が次第に内面化し,内部直観及び空間観念を養成し空間図形の世界を構成することに有効であることが分かった。
静岡県静岡市立豊田中学校 富坂耕次