グルジア中部の町、ボルジョミは、旧ソ連では有名な温泉リゾート地。1829年、帝政ロシア軍の兵士たちによって発見された。その後、カフカス総督のヴォロンツォフ伯爵が開発を加え、ロシアの王侯貴族の他、チャイコフスキーやゴーリキーなどの芸術家たちもここを訪れた。ソ連時代に入ると、一般大衆も利用できるサナトリウムや国民宿舎が造られ、ますます多くの保養客でにぎわうようになった。また、ここの温泉水は飲料水としても、早くから商品化されており、その名も「ボルジョミ」のブランド名で、国内のみならず、旧ソ連圏全体に出荷されている。
元キルギス国立大学講師 角南真也