撮影年月:2006年11月、撮影場所:アゼルバイジャン、ステパナケルトおよびその近郊。アルメニア系住民が人口の多数を占めていたナゴルノ・カラバフは、ソビエト連邦成立時、アゼルバイジャン領に編入され自治州となったが、ソビエト時代末期になると、アルメニア領への帰属変更を求めるアルメニア系住民の運動が高まり、アゼルバイジャン系住民との衝突が頻発した。ソビエト連崩壊後の1992年、ナゴルノ・カラバフ自治州最高議会が独立を宣言すると、事はアルメニア、アゼルバイジャン両共和国の全面戦争に発展した。1994年、停戦合意が成立し、以来この地域はアルメニア軍が実行支配しているが、2008年4月現在、ナゴルノ・カラバフ共和国の独立を承認しているのはアルメニアのみで、国際的にはまだアゼルバイジャン領とみなされている。
元キルギス国立大学講師 角南真也