[本文より]
明治10年代末に始まった修学旅行は,明治23年に東京・上野で開催された第3回内国勧業博覧会をきっかけに,東京への修学旅行を増加させた。明治33年頃になると,経費の問題等で修学旅行を制限する動きが出てきた。また小学校の宿泊旅行の禁止,中学校の泊数の制限,修学旅行の許可制も出てきた。明治末期には,修学旅行は中等学校に定着し,目的地も交通機関の発達により,江戸時代からの物見遊山の地域とも重なる文化・歴史の古い修学旅行地に定着する。
財団法人日本修学旅行協会調査研究第一部長 剣持文彦