[中国]鼓楼と太鼓、撮影年月:2000年8月、撮影者:T.N(東京都)、撮影場所:中国、北京市。鼓楼は1272年(元)に建てられた、後二度にわたって修復された。この巨大な太鼓は1900年6月の義和団の北京侵入後、8月に八国軍(米・仏・英・伊・日・露・独・オーストリア)の北京占領によって破壊された。八国軍は、第二次アヘン戦争の時に略奪されて、僅かに残っていた『永楽大典』を再び307冊盗み去った。今は世界に残るものは500余冊である(『永楽大典』は12000冊で二部あった。一部はすでに失われていた)。そのほか、この時に失われた貴重な書籍は46000冊であったという。中国では、昔(宋代)は書物は私有物ではなくて公共物と考えられていたから、戦争で奪っても略奪とはみなされなかったし、借りても返さなくてよかった。しかしそれは誰もが書物を愛好していたからだ。焼いたりするのは言語道断である。この時奪われたものは今どこで、誰が利用しているのだろうか。
東京都 T.N