地名のいわれ-滋賀県-
(12)守山市「浮気」「焔魔堂」など
東京書籍2005年12月作成
[本文より]滋賀県の古代国名は,「アフミ」と書いて「オウミ」と発音し,漢字は奈良時代より「近江」「相海」「淡海」などと書かれ,「淡海」と書かれることが一番多かったようです。そのようなことから,語源は「アハウミ」から変じて「アフミ」だといわれているのです。近江は「チカツアフミ」で,「トオツアフミ(遠江)」対しており,「チカツアフミ」の略称が「アフミ」なのです。これは湖があるからの名前で,『汐ならぬ淡しき海』の「アハウミ」の縮まったものです。そして,それは湖の名前ですから,本来ならばこの国は「淡海国」となるのですが,単に「アフミ(淡海)」というのは,本居宣長の説以来,定説となっているようです。
滋賀県野洲市立野洲中学校教諭 筈井千英