[本文より]
慣用表現“on cloud nine”は,歴史的にイギリスの薬種屋であり熱烈なアマチュア気象研究家Luke Howard (1772-1864) が,1802年に提案した組織化された雲の分類に始まる。彼は雲を高度により,上空16,000から50,000フィートにある雲をCirrus,6,000から16,000フィートにある雲をAlto,6,000フィート以下にある雲をLow Cloudsと各々3種類に分類し,さらに形状によりそれらを9種類に分類しラテン語で命名した。
日本語に「天にも昇る気分で」とか「有頂天で」という表現があるが,これに相当する英語表現に“on cloud nine”がある。この表現は,ル-ク・ハワードの雲の分類に基づき,米気象庁(National Weather Service)が9タイプに分類したが,その最上部の「タイプ9の雲」からこの表現が由来している。「高度がいちばん高い雲の上で」ということから,「有頂天で(blissfully happy)」という意味で用いられるようになったのであろう。
HTML版"
兵庫県立星陵高等学校 大西博人