北里柴三郎 (Kitasato Shibasaburo)
日本,1852-1931
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
日本の細菌学の父といわれる北里柴三郎は,嘉永5年(1853年12月20日),熊本県に生まれた。少年柴三郎は学問より武技を好み,軍人になる志をもっていた。しかし両親のすすめで,1871年,熊本の医学所に入った。ただし,軍人か政治家になるという考えを持っての入学ではあった。その彼に,医学所のマンスフェルトという蘭医は医学の道の大切さを説いた。北里も医学の意義を悟り,「医学又学ぶに値する」と考えるようになった。マンスフェルトの感化によって医学の道を歩む決意を固めた北里は,1875年(明治8年),東京医学校(東京大学医学部の前身)に進んだ。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司