アウグスト フリードリヒ レオポルド ワイスマン (August Friedrich Leopold Weismann)
ドイツ,1834-1914
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
19世紀は機械論の時代だったといえる。機械論という語はいろいろな用法があるが,そのーつは,全体は部分の総和で,全体は構成要素に還元されるという考え方で,生物学以外の分野にも見られる。生物学では細胞説のように,細胞が基本的生活体で,細胞のことを解明すれば,その総和としての生体のことは理解できると考える。同じような考え方をさらに進めれば,特定の性質を担った粒子を仮定して生体の諸現象を説明しようとする粒子説になる。また要素への還元の考えは,生体の諸現象は結局,物理・化学的に解明しつくせるという考えに通じることにもなる。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司