ヴィルヘルム ルー (Wilhelm Roux)
ドイツ,1850-1924
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
世界の発生学者なら誰しも一度は“Roux' Archiv”(ルー・アルヒーフ)という国際学術雑誌や論文にお目にかかるであろう。この学術専門誌なくしては近代の発生学は語れないくらい大きな影響を与えてきた。約100年の歴史をもつこの学術専門誌はすでに200巻を超えている。ルーの名を冠した“ルー・アルヒーフ”が創刊されたのは1894年であり,彼がつくり出した新しい学問の体系と相まって,21世紀前半にルーが発生生物学および実験形態学へ与えた影響は大きい。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司