ジャック ルシアン モノー (Jacques Lucien Monod)
フランス,1910-1976
フランソワ ジャコブ (Jacob)
フランス,1920-
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
ジャック・ルシアン・モノーは,1910年にパリで生まれ,1928年にソルボンヌ大学に入り,動物学を専攻した。非常に多才であり,特に合唱の指揮にかけては,新聞を賑わすほどの腕前であった。また,ドイツ占領下のフランスにおいて,共産党員として武装抵抗運動を展開して活躍した。その間,地下に潜ったまま,アンドレ・ルウォフの所で大腸菌の乳糖の消化に関する実験を続けていた。1940年代は特にカリフォルニアを中心に新しい実験材料としてのファージの研究が盛んになりつつあった時で,モノーもファージに魅力を感じたが,自分がそれまで続けてきた酵素の適応の問題のおもしろさに気づき,その研究を続けていくことにした。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司