サー ウィリアム ボーマン (Sir William Bowman)
英国(イギリス),1816-1892
科学者人物誌―生物
肝腎かなめ,ということがある。大切なことを指している言葉である。ときには肝心と書くことがあるが,人体の中で肝臓,心臓,腎臓が重要な役割を果たしていることの表現でもある。心臓についてはいうまでもないが,肝臓が人体にとって大切なものであるという認識も古くからみられる。その証拠として,古代バビロニアやエジプトでは,“肝臓占い”という習慣があった。動物を解剖し,その姿,形で病気などを占ったのである。では,腎臓についてはどの程度の認識があったのだろうか。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司