ヴィルヘルム フリードリヒ フィリップ ペッファー (Wilhelm Friedrich Philipp Pfeffer)
ドイツ,1845-1920
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
赤血球を水の中に入れると膨らみ,パンクする。あるいはタマネギの鱗茎表皮細抱を濃い砂糖液につけると原形質分離の現象が見られる。そうした話や実習が生物授業でなされることが多い。その際,必ずといってよいほど登場するのが「浸透圧」という言葉である。19世紀の前半,簡単な装置でこの浸透圧を測ったのはフランスのデュトロシェ(1828)であるが,それをさらに精密に測定する装置を工夫し,浸透圧が意外に高いことを示した人物がいる。1875年のことで,その名はヴィルへルム・ペッファー。彼はそれによって「浸透圧」という概念を確立させた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司