ベーア(生物学者)
東京書籍作成
Karl Ernst von Baer
エストニア,1792-1876
科学者人物誌―生物
東京書籍2003年8月作成
エストニア生まれでドイツとロシアで活躍した生物学者・人類学者・地理学者。エストニアの貴族の出。創設されたばかりのエストニアのドルパート大学に1810年に医学部学生として登録し,様々な自然科学を学びながら,1814年に医学博士号を取得した。その後1814年から1815年にはベルリンとウィーンで学び,1815年にはドイツのヴュルツブルク大学に医学を学びに行き,イグナツ・デリンガーの下で比較解剖学を学んだ。デリンガーはベーアにニワトリの胚葉の成長を研究するように勧めたが,ベーアは行わなかった(この研究は友人のクリスティアン・ハインリヒ・パンダーが引き受けた)。1817年にケーニヒスベルク大学教授ブールダハの下で解剖助手になり,1819年には同大学の解剖学員外教授,1826年には動物学の正教授になり1834年まで在籍した。この時期ベーアはケーニヒスベルク大学で動物学博物館,植物園などを整え,医学部長,大学総長にも選ばれた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司