エドゥアルト ブフナー (Eduard Buchner )
ドイツ,1860-1917
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
エドゥアルト・ブフナーは,1896年に,酵母の抽出液で発酵が起こることを発見し,その業績に対して,“化学-生物学的諸研究および無細胞的発酵の発見”についてノーベル化学賞を受けている。 彼は有名な法医学者を父として,ミュンヘンに生まれた。しかし,幼少の頃は,10歳年上の兄ハンスと比較して,かなり能力が低いと見なされていたので,当時の優秀な少年のための進学コースとは外れて,技術系の専門コースで学んだ。一時軍隊に務めた後で,改めて,ミュンヘンの工科大学で化学を学び始めたが,経済的な理由のために勉学を中断して工場で働いていた。しかし,やがて兄の援助を受けて学業を終えることができた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司