マーシャル ウォーレン ニレンバーグ (Marshall Warren Nirenberg)
アメリカ,1927-
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
「彼はクラブの会員ではなかった」。ある科学史の本は,ニレンバーグの仕事を取り上げた章に,こんな表題をつけた。 DNAの二重らせんモデル(1953)で遺伝子の正体が明らかになったとき,すぐ次に問題となったのは,遺伝暗号の翻訳の筋道だった。核酸の塩基配列に指令されてタンパク質ができることや,RNAが仲介役らしいことは,多くの人が考えていた。物理学者のジョージ・ガモフは知人を誘って,揃いのネクタイをつけるRNAタイ・クラブというのをつくった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司