ハンス アドルフ エドゥアルト ドリーシュ (Hans Adolf Eduard Driesch)
ドイツ,1867-1941
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
19世紀後半の前成説と後成説の論争は,実証によってその正否を決しようとしていた。ヴィルヘルム・ルー(1850-1924)は,カエルの卵が卵割を始めて,2細胞期になったとき一方の割球を灼熱したガラス管で殺すと,無傷の割球のみが発生を続けて半胚(体が半分しかない胚)が生じることを見いだした(1884年ころ)。この結果は前成説を肯定するものであった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司