フレデリック キャンピオン スチュワード (Frederick Steward )
英国,1904-1993
科学者人物誌―生物
スチュワードは1904年ロンドンで生まれ,リーズ大学で化学の学士号を,植物学で博士号を取得している。彼の関心は,植物学の諸問題の解決に化学的手法を導入することにあった。彼は,はじめサトウダイコンやジャガイモ貯蔵組織のスライスを用いて,生体膜の半透性を調べていた。これらの組織は生理的に不活発で,カリウムや塩素などのイオンを蓄積している。彼はイオンの蓄積を誘導する条件を調べるうちに,温度,スライスの厚さとともに,特に酸素供給が重要であることに気がついた。これらの条件は,同時に細胞の代謝活性に大きく影響した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司