サムナー(生物学者)
James Batcheller Sumner
アメリカ,1887-1955
科学者人物誌―生物
アメリカの生化学者。マサチューセッツ州カントンに裕福な農夫の息子として生まれる。17歳の頃,狩猟中の事故で左腕を失った。左利きのサムナーにとっては大きな痛手だったが,努力して困難を克服した。1906年にハーヴァード大学に入学し,化学を学んで1910年に卒業した。しばらくおじの経営する繊維工場で働いた後,ニューブランスウィクのサクヴィルにあるマウント・アリスン・カレッジで化学を教え,マサチューセッツのウォーチェスター・ポリテクニクの助手になったりしたが,1911年にはハーヴァードに戻った。1913年に修士号,1914年に学位論文「動物身体中での尿素の形成」で博士号を取得した。そして,1914年にコーネル大学医学部の生化学の助教授,1929年には正教授,1938年には学部再編成によって農学部の生物学と生化学の教授となった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司