サー ハンス アドルフ クレブス (Sir Hans Adolf Krebs)
ドイツ,1900-1981
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
クレブスはドイツに生まれ,英国で活躍した生化学者であり,クレブス回路(=クエン酸回路,トリカルボン酸回路)の発見者として知られており,その業績に対し1953年にノーベル医学・生理学賞が贈られた。クレブスは1900年,北部ドイツの小都市ヒルデスハイムに,耳鼻咽喉科医の子として生まれ,父の後を継ぐため1918年,ゲッチンゲン大学に医学生として入学した。その後フライブルグ大学等で学び,1925年に医学博士の学位を得た。彼がその後の研究方向に決定的な影響を受けたのは,1926年から4年間,カイザー・ウィルヘルム研究所でワールブルクの実験助手をしていた時だった。ここで呼吸酵素の研究を行いながら,マノメーターによる圧力測定,分光学,組織スライスの調製法などを身につけた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司