湯川秀樹(物理学者)
東京書籍作成
Yukawa Hideki
日本,1907-1981
科学者人物誌―物理
東京書籍2003年2月作成
湯川は1907年,東京に生まれた。秀樹の誕生後すぐに地質学者・地理学者であった父,小川琢治が京都帝国大学教授に就任すると,一家は京都へ移り住んだ。小川家は学者一家として著名であり,父のほかにも,兄の貝塚茂樹,弟の小川環樹の名はよく知られている。幼時には祖父から漢籍の素読の手ほどきを受けるという家庭環境であった。京都府立一中,第三高等学校,京都帝国大学という京都の学生のエリートコースを進んだ彼の級友には,後に学者になったものも多い。後に,湯川に次いでノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎は,一中時代は湯川の1年上級であったが,高等学校からは同学年となった。湯川が京大理学部に入学した時には,父の小川琢治は理学部長の職にあった。
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本拓司