[私の心に残った数学の本] 「数学の考え方」矢野健太郎 著
植野義明(東京工芸大学助教授)
高校数学ニューサポートVol.3
東京書籍2005年春発行
[本文より]
歴史以前の数の数え方から始まり,数々の歴史の転換点に現れた数学の考え方がゆったりと興味深く描かれている。たとえば,微分学のアイディアを述べるために,ギリシャ人が円の接線をどのように考えていたかから説き始め,それが円以外の曲線についてはあてはまらないこと,それに対してニュートンの考えはどうであったか,そして,それは結局,静から動への数学史の大きなパラダイムの変換であったことがやさしいことばで丁寧に述べられている。
東京工芸大学助教授 植野義明