「解法は1通りではない」-数学の別解づくりを考えよう-稲永善数―平成15年4月作成より。教科書ではおなじみの問題である。ギリシャ時代は定規とコンパスを用いた,いわゆる「幾何学」の手法で,この関係を導いている。デカルトの登場で,座標を導入,「解析幾何学」の手法で,代数的に計算をすることにより示せるようになった。数学はつまずくと,偉大な数学者が現われ道具を発明,それを機縁にして爆発的に数学が発達する。高等学校で学ぶ「ベクトル」や「複素数」も偉大な道具の 1 つだ。そして人類はまた,その道具を「一般化,拡張」する。複素数を拡張した四元数,さらに八元数,クリフォード数へと拡張さる。実数の関数論は,複素関数論へ,四元数やクリフォードの関数論も創られている。
稲永善数