「解法は1通りではない」-数学の別解づくりを考えよう-稲永善数―平成15年4月作成より。2 直線を 2 等分するには,定規とコンパスを用いて作図ができる。2直線の方程式が与えられたとき,2 等分線の方程式を求めることは,作図の範疇ではない。2 次関数のグラフを,定規とコンパスで描くことは可能だ。これは,幾何的手法である。座標が与えられると,点を1つ1つプロットして,平面上にグラフを描くことは一般的であるが,いつもそのようにするわけにはいかない。そこで,平方完成と言う手段で,頂点の座標から,グラフを描くことになる。これは数学Ⅰの重要な教材の 1 つである。さらに,一般的にグラフを描く手段として,微分法がある。原点を通る 2 次関数を基本形にして,y = ax2の平行移動したものと捉えれば,また新しい解法が得られる。このように,1つの問題を色々な角度から解明することは教育上重要なことである。教科書はそれを教えてくれる最も大切なものである。
稲永善数