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流動観測の原点となったウンターアール氷河

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  • 実践事例
公開日:1999年04月12日
流動観測の原点となったウンターアール氷河

アーレ川は,ベルナーオーバーラントの高峰群を発し,ブリエンツ湖,トーン湖などU字谷底の氷河湖を経て,首都ベルンの旧市街を囲むように蛇行し,ライン川に注ぐ,スイス中央部の有数な河川である。ブリエンツ湖から上流側のマイリンゲンを中心とする谷間は,ハスリタール(ハスリ谷)とよばれ,スイスでも美しいU字谷のひとつとして人気が高い。アーレ川の源流部には,ベルナーオーバーラント最高峰のフィンスターアールホルン(4274m)やシュレックホルン(4078m)などの峻峰がそびえている。それら峻峰の直下から流下する長大な谷氷河がウンターアール氷河で,アーレ川の水源となっている。ウンターアール氷河(Unteraar Gletscher;下アール氷河)は,長さ13.5km,面積28.4km2の規模で,スイスアルプス最大のグローサーアレッチ氷河(大アレッチ氷河)から数えて4番目にランクされる。ウンターアール氷河は,その上流側で左右にわかれ,右俣がラウターアール氷河,左俣がフィンスターアール氷河となる。両氷河の合流点から,現在の氷河末端までのウンターアール氷河本体の長さは約6㎞である。

駒澤大学高等学校 深谷元

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