[イタリア]ミケランジェロ広場から見たフィレンツェ市内、撮影年月:1990年7月、撮影場所:イタリア、フィレンツェ。紀元前10世紀頃、アルノ川沿いに古代イタリア人の集落が生まれ、前1世紀からはローマの植民市フロレンティアとして発展してきた。9世紀、神聖ローマ帝国の支配を受けてトスカーナ辺境伯領となったが、1115年マティルデ女伯爵の死によって、12人のコンソレ(行政官)が治めるフィレンツェ共和国が誕生した。その後、同業組合アルテカを中心とする商人勢力の台頭は、貴族層中心の皇帝派(ギベッリーニ)と市民層の教皇派(グエルフィ)の対立をもたらしたが、後者の勝利で毛織物業や金融業が大きく発展した。1434年、金融業で巨大な富を築いたメディチ家の当主コシモ=デ=メディチが政権を掌握し、フィレンツェ中心のイタリア=ルネサンスが花開いた。アルノ川に架かるフィレンツェ最古の橋「ポンテ・ヴェッキオ」(1345年)は、1944年のドイツ軍撤退の際にも破壊を免れた。
O.K