「ニュ-サポ-ト高校社会Vol.8(2007年秋号)」より。旧ソ連から独立したウズベキスタンは、国境を接する5 か国のすべてが内陸国という、まさに内陸国の中の内陸国である。この地をシルクロ-ドの交易路が通り、サマルカンド、ブハラなどのオアシス都市が栄えていたということは、今さら言うまでもない。しかし、第二次世界大戦後、シベリアに抑留された日本人が、この地で強制労働に従事させられ、帰還することもかなわずに命を落とした人もいるという事実を、どれだけの日本人が知っているだろうか。第二次世界大戦後、ソ連によってシベリアに抑留された日本人の数は約60万人にのぼる。そのうち、1万人以上が鉄道で現在のウズベキスタンに移された。ウズベキスタン国内にある13か所の墓地には、日本に帰還することのできなかった812人が眠っている。
大阪府立八尾翠翔高等学校 竹部嘉一