[パキスタン]古代シルクロードの線刻画(2)、初期の仏教(6)、撮影年月:2000年8月、撮影場所:パキスタン。パキスタンの首都イスラマバードの西60kmほどのところに、タキシラという所があります。このタキシラは、ガンダーラ遺跡で有名な町で、遺跡全体の面積は26km2もあります。アレクサンドロス大王がやってきた頃には、すでに都市が成立していたと考えられています。数多くの仏教遺跡のほか、都市遺跡やゾロアスター教の遺跡などもあります。ここでは、仏教遺跡の一つ、ジョーリアーン遺跡と古代のシルクロードに見られる線刻画を紹介します。写真は、インダス川の古代のシルクロード沿いの岩に刻まれた線刻画です。サーティアールの上流のチラース付近に残っているものです。中国から、タクラマカン砂漠やパミール高原を越え、インダス川に沿って下り、タキシラへはるばるやって来たことを想像させます。自分自身の祈りのため、あるいは道しるべとして岩に刻んだのでしょう。古代の人々が仏教の奥義を求めて往来したことを思い起こさせます。
大阪府立八尾翠翔高校 竹部嘉一