[研究レポ-ト-(2)]学習者の主体性が発揮される「国語教室」とは-生活の場と地続きの場を求めて-
ニュ-サポ-ト高校国語Vol.8(2007年秋号)
[本文より]
「なんで国語を学ばなければならないか」という問いに,進学校の生徒だったら「受験に必要だから」と答えるであろう。夜間定時制に異動してきた当初「センセイなんで国語を勉強しなくちゃいけないの?」という質問を,生徒が質問に答えられないとき,文章が書けないとき,定期試験の成績が悪いときの,「勉強しない言い訳」程度にしか考えなかったが,それは誤りだったと今は考えている。生徒の多くは,中学校時代に非行や不登校を経験しており,これまでどの教科においても教室の中心にいたとは言い難い学習者たちである。教室でよく聞かれる学習への後ろ向きな言動は,自己肯定感や自信を持てないことが原因になっているとも考えられる。