[精選国語I 発問例集]8 短歌と俳句 十五の心〈短歌〉 正岡子規 ほか
「精選国語I (559)」準拠、発問例集
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「いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす」「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」(正岡子規)「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」「なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな」(与謝野晶子)「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ」(石川啄木)「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ」(若山牧水)「向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ」「木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな」(前田夕暮)「春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕」「昼ながら幽かに光る蛍一つ孟宗の藪を出でて消えたり」(北原白秋)「死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる」「あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり」(斎藤茂吉)「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」(寺山修司)
東京書籍(株) 国語編集部