[国語I 発問例集]6 詩歌 いちはつの花──短歌抄「いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす(正岡子規)」「瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり(正岡子規)」「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな(与謝野晶子)」「清水へ祇園をよこぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき(与謝野晶子)」「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心(石川啄木)」「ダイナッフ重き唸りのここちよさよあはれこのごとく物を言はまし(石川啄木)」「芋の葉にこぼるる玉のこぼれこぼれ子芋は白く凝りつつあらむ(長塚節)」「白埴の瓶こそよけれ霧ながら朝はつめたく水くみにけり(長塚節)」「昼ながら幽かに光る蛍一つ孟宗の藪を出でて消えたり(北原白秋)」「碓氷嶺の南おもてとなりにけりくだりつつ思ふ春のふかきを(北原白秋)」「のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にて足乳根の母は死にたまふなり(斎藤茂吉)」「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも(斎藤茂吉)」「怺へたるをさな子の顔ひきしまり叱る母をば喰ひ入るごと見入る(宮柊二)」「蝋燭の長き炎のかがやきて揺れたるごとき若き代過ぎぬ(宮柊二)」「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)」「さむきわが望遠鏡がとらえたる鳶遠ければかすかなる飢え(寺山修司)」
「国語I 現代文編(557)」準拠、発問例集
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東京書籍(株) 国語編集部