外国人児童は乳幼児期から日本語母語話者と比較し、母語も第二言語である日本語も習得に不利な状況にある。しかし、言語能力はあらゆる学習の基礎であり、人格形成にも大きな影響を及ぼすことが指摘されている。特に話し言葉から書き言葉、生活言語から学習言語への移行期は母語話者においても難しさがあるが、外国人児童においては特につまずきやすい。
そこで本研究では,乳児期の語彙獲得や言語感覚、幼児期の集団の中での話し言葉、小学校での学習言語への移行、中学校でのより抽象的な概念の理解と将来への見通しといった保幼小中それぞれの時期の言葉の育ちの特徴と、その言葉の力を伸ばす外国人児童のための連続性ある日本語指導の在り方について事例を通して検討する。(東研研究報告 No.368)
東京教育研究所
A4判