Wilkins (1972)に, “while without grammar very little can be conveyed, without vocabulary nothing can be conveyed.”とあるように,語彙知識はコミュニケーションにおいて,非常に重要な役割を果たします。中学校段階において,特に単語を「書くこと」に苦手意識を持っている生徒は非常に多いと感じています。小学校での指導の成果もあり,インタビューや発表など,「話すこと」がメインの活動には活発に取り組むものの,いざ単語を書かせるとなると,それまでの目の輝きがまるで嘘だったかのように,授業が重苦しい雰囲気になるという経験をされたことのある先生は,少なくないのではないでしょうか。
弘前大学教育学部講師 佐藤剛