ニュースなどで理科の実験による事故が報道されることがあります。このようなニュースを見ると、実験をやらなくてもよいという声や、動画で十分ではないかという声が出てくることがあります。本当にそうなのでしょうか。理科の中で、生徒が体験や探究を通して理解を進めるために、実験はとても大切な役割を果たしています。知識を学ぶだけでなく、観察・実験を通して探究を行い、考え、判断し、表現することが重要です。本冊子では、事故を防ぐためのポイントについて、これまで起こった大きな事故や小さな事故、「ヒヤリ・ハット」の事例をもとに、安全に実験を行うことについて考えていきます。具体的な事故事例から、「予備実験」「危険の周知」「学級全体でのペース調整」「薬品や廃液の処理」に注目して、まとめています。若い先生に読んでいただき、日頃の授業でどのように生徒に実験で配慮することを伝えていくか、考えるきっかけとしていただけたらと思います。
東京書籍(株) 理科編集部