道徳授業に限りませんが、映像を流した瞬間、生徒の表情が急に変わるということはありませんか。映像には、生徒をひきつける魅力があると思われます。道徳授業に映像を用いる場面として、まず、展開段階で中心教材として扱うことが挙げられます。メリットは、読み物教材では不可能な視覚的情報や臨場感などを伝えられることです。また、ほかの場面として、導入や終末段階で映像を提示することが挙げられます。導入では生徒に問題意識をもたせたり、教材への興味・関心を高めたりすることができます。終末では、本時で扱ったテーマについて発展させたり、まとめたりすることができます。これらのほかにも、適宜、補助教材として扱うことが挙げられます。中心教材だけでは理解が難しい事柄について、映像を用いて補足説明をしたり、映像で具体的に状況等を提示して考えさせるようにしたりすることができます。
宇都宮大学大学院教育学研究科[教職大学院]教授 和井内良樹