子どもの「笑顔」は様々なことを主体的に学ぶための原動力となり、未来を切り開いていく大切なエネルギーとなると考える。一方、私たちの社会には子どもの「笑顔」を奪う様々な要因がある。子どもは学校やクラスなどの「環境」に適応したり、父母や教師、友達など「様々な人」と接したりしながら生活していくなかで、常に大人がつくった既存の価値と向き合うことに力を注ぎ、自分の存在価値を見出しづらい状況に置かれている。このことが子どもの活動への意欲を低下させる一要因なのではないか。本研究では、子どもに失われた笑顔を取り戻し、「子どもらしく」生活できるよう、私たち大人がすべきことを考えた。子どもが持っているすばらしい力を発揮させられるよう、特に学校という環境で、私たち大人が、教師がどのように関わればよいのか各自の実践事例を基に考え、子どもが置かれている実態や問題点をできるだけ具体的に振り返り、その問題の本質を6人の教職員で究明した。 (東研研究報告 No.347)
東京教育研究所