東書教育シリーズ中学校理科「教科書コラム復刻版」2002年9月作成より。「発展的な内容」関連資料として,昭和62年度版教科書「新しい科学」より抜粋・編集したものです。「電解質が水にとけると陽イオン,陰イオンに分かれ,これらが水溶液の中で電流を流すはたらきをする。」という考えかたがあきらかになるまでには,多くの科学者の研究の積み重ねがあった。イギリスのファラデー(1791~1867年)は,電気分解の研究を進め,「電流を流したときに,陽極や陰極へ動いていく物質が生じるので,これをイオンと名づける。」という発表をした。ファラデーの発表から約50年後,スウェーデンのアレニウス(1859~1927年)は,水溶液の化学的性質を研究し,電流が流れないときもイオンになっていると考えたほうが説明しやすいことをあきらかにした。
東京書籍(株) 理科編集部