ニューサポート高校「情報」vol.19(2022年春号)より。大学入学共通テストへの「情報」の追加が決まり、注目を集めている。情報入試の導入は、情報処理学会などが長年要望してきた悲願の実現であり、高校生の情報活用能力の底上げにつながることが強く期待される。一方で、近年行われている入試改革は、「高大接続改革」の一部に位置付けられている。高大接続改革とは、大学入試のみならず、高校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体的改革であるべきと強調されている。この趣旨を踏まえると、情報教育においても視野を広げ、指導内容や能力育成の高大接続という観点で、意義を検討する必要がある。本稿では、「段階的・連続的な情報教育がついに実現する」「情報処理を通して『探究力』の基礎を形作る」の2点からその意義を論じる。
筑波大学 小野永貴