ニューサポート高校「社会」vol.37(2022年春号)より。本稿では、高等学校公民科の授業づくりにおける「問い」の重要性について、政治・経済を例にあげて論じる。ここでいう「問い」とは、単元全体(導入・展開・終結)を貫くメイン・クエスションを意味し、単元の導入において提示され、授業は「問い」を解決していく過程として展開される。「問い」を吟味することは、公民科の授業を生徒の主体的な思考を引き出すものに改善し、生徒が民主主義社会、資本主義社会の担い手である市民になるための授業へと変革していく入り口となる。
環太平洋大学教授 中原朋生