ニューサポート高校「数学」vol.36(2021年秋号)より。いわゆる「統計的仮説検定」に関係することではあるが、現場でご指導されている先生方と意見交換をした際にも、「これまで触れたことがない内容でどう教えればよいかわからない」、「数学Bの内容とは何が違うのか」などのお話を耳にする。現行の教科書では統計的仮説検定には触れてはいないが、以前の教科書を探すと、取り扱っているときもあるが、それらは新課程での数学Bで取り扱っている確率分布を利用したものであり、数学Ⅰの段階で確率分布を使わずにどう教えればよいかの悩みは出てくると思われる。ここでは、このような状況下で、数学Ⅰにおける「仮説検定の考え方」をどのように考えればよいかについて述べる。
実践女子大学教授 竹内光悦